心 の 忘 れ 物
「武士道」という本
主演トムクルーズを渡辺謙が支えて大活躍する映画「ラスト サムライ」は大流行でした。
トムクルーズは役作りのために、新渡戸稲造の「武士道」という本をくり返し読んだことが報じられています。新渡戸稲造は1862年に南部藩士の三男として生まれ、札幌農学校に学び、札幌農学校教授、第一高等学校長、東京帝国大学教授、東京女子大学長などを勤めた人です。ちなみに、現在5000円札の肖像画となっています。
「武士道」は英語で書かれ、当時の日本人を知るための絶好の著書であり、また、人としての生き方を考える良書として多くの人に読まれた本だったということです。
日本人の心に武士道が
さて、この本のなかで「武士道」の最高の支えは「義」であるとあります。人の道で大切なこととして、「仁・義・礼・智・信」などと言われます。そのなかでも「正義の道理」を武士道では一番の中心としているわけです。どんなに学問や芸術や武道に優れていても、その前に、正義を貫き、正義を守る精神がなければ尊敬に値しないということです。
「卑怯をするな」「大きい者が小さい者を殴るのは卑怯だ」「大勢で一人をやっつけるのはこの上もない卑怯だ」「弱いものがやられているのを見て見ぬふりをするのは卑怯だ」 これらは私たちの心にも根付いていることです。
現在の社会を顧みると、表に見える力や才が幅を利かせ、その人が秘めている正義が見えにくくなっていることを思い知らされます。
単に腕力が弱いというだけで一方的に痛めつけられる。絶対的に抵抗できない立場にある幼子を、気に食わないからと親が虐待する。儲かりさえすればよいと詐欺まがいの商法を大企業がする。自社製品に欠陥があることを知りながら他のせいにする。
子どもの生活意識にも、あまりにも低くなってしまった規範が垣間見られます。「人に迷惑をかけなければ何をしても自由だ」ということは一見正しく見えます。しかし、「親に反抗すること」や「万引きすること」「煙草を吸うこと」「援助交際をすること」となるとそれは正しくありません。それらを「本人の自由だ」と考えるのは、他人に迷惑をかけるかどうかの前に、そのことをすることが正義かどうか、自分は正義を貫かなくてはならないのではないかという思案がないのです。
心の忘れ物
なにか大切な日本人の心意気というものをどこかに忘れ物してきてしまったような気がします。「卑怯なことはするな」「約束は必ず守れ」「知識は使って初めて知恵になる」「勝利ばかりを追わず互いの健闘をたたえろ」「無比の慈悲をくれた親に感謝しろ」「恥を知れ」など、私たちが子育てをする時に言ってきたことがらが、この本には満載です。
「奈良の仏像の特徴はなんですか。それは銅でできていることです。当時、日本ではやっと銅 が発見されたばかりで、年に200kgしか取れませんでした。薬師寺のご本尊の薬師如来像は200tの銅を使っております。皆中国から輸入しました。これだけ大量の貴重な銅を買って、日常使う物や武器を作るのではなく、人々の健康や安全を祈って仏像を作ったのです。日本人とはそのような民族であるということをきちんと知っていないと、ただ英語を上手になっても国際人にはなれません。」と薬師寺のお坊さんがおっしゃいました。
世界中の情報が、家に居ながらにして即入手できる便利な世の中です。だからこそ、あらためて、してはいけないことは誰がなんと言おうとしない、しなければならないことはどんな困難があってもやり抜く、常に正々堂々とし、姑息な手段は使わず、恥をわきまえる、これらの日本人の心を決して忘れ物や落し物にしてはなりません。
学校の今
学習発表会後は駅伝大会に向けて練習に励む姿が見られました。ある朝、私が校門で挨拶していると、近くの方から話しかけられました。「3年生が夜に駅伝の練習をしていました。感心しました。最近五中は落ち着いていますね。」地域で暮らしている人の話なので、うれしくなりました。
11月11日に学校で自殺すると言う予告文が文部科学大臣に届けられました。「いじめ」について緊急の全校集会をしました。しかし、集団で仲間を教室に閉じ込めてしまったり、机で嫌がらせをしたりすることが起こりました。
いじめられた生徒を守ること、いじめた生徒をしっかりと指導すること、傍観した生徒の意識を変えるよう啓発することの3点で繰り返し指導を継続しているところです。ご家庭でのご協力をお願いします。
授業中に大騒ぎをするようなことはありませんが、集中の糸が切れてしまう生徒が出てきました。私語をしたり、うつ伏して寝てしまったり、消しゴムなどを投げてちょっかいを出したりすることが垣間見られます。また、スイッチを破壊する行為がまた起こるようになりました。
期末テスト前で神経が疲れているのか、授業が終わると同時に大きな奇声が上がることがありました。これも生徒の耐性不足の一面です。困難を前にしても、ぐっと腹に力を入れて平常心で耐えることができるよう自分を鍛えましょう。
幻の駅伝大会
11月11日(土)の駅伝大会は雨のため中止になりました。とても残念です。今年から大会運営に地域の人の力を多くいただき、駅伝参加の大人チームも11チーム集まってくれました。
つらい中止の連絡をすると、「残念ですね、練習したんですよ。」とのことです。例年の参加を快く約束してくれたチームもありました。五中に向ける地域の視線の暖かさを感じることができました。来年もよろしくお願いします。
ボランティアの窓
11月3日(金)に中原小学校で交通対主催の交通安全を兼ねた野川公園サイクリングがありました。本校から小学生の世話係りとしてボランティアに3人の2年生が参加してくれました。よく働いてくれたと感謝の声が学校の届きました。
とまらないバドミントン部の快進撃
都大会の最終予選で団体が3位に、鎌田・鳴海君のダブルスが2位、栗田君のシングルスも2位と好成績を残しました。いずれも全都大会に進出です。おめでとうございます。健闘を祈ります。